鉱石から金属を作るとき、金属は液体になっている期間があります。その間に金属にとって必要でない成分を取り除いたり、必要な成分を加えたりします。
ところで、液体金属は表面で空気などの気体と接しています。また、熱に強いレンガや固体不純物とも接していて、その境界を界面といいます。表面や界面を通じて様々な現象や化学反応が起こるので、界面の性質を知ることが重要になってくるのです。
液体表面の大事な性質のひとつに表面張力があります。石鹸水で作ったシャボン玉、葉っぱの上の雫、紙にインクがしみこんでいく現象など、表面張力に関係ある身近な現象を小さいときから見てきているはずです。
液体の表面には縮まろうとする性質があって、その力を表面張力といいます。水の雫が丸っこいのはそのためなのです。液体金属も同じで、セラミックスの上でとけているときの形は横から見ると右の写真のようになります。この形から表面張力を求めることができます。
表面張力の存在は図のような簡単な実験で知ることができます。
・コの字型の針金に棒を渡します。
・棒の両端は針金に沿って動けるようにします。
・針金で囲まれた部分に石鹸水の膜を張ります。
・棒は持っていないと左方向へ引っ張られるはずです。
この力が石鹸水の表面張力によるものです。